幼稚園から転職し、保育園で働き始めた日のことを今でも鮮明に覚えています。
「おトイレ行くよー!」という先生の声かけ共に、自分でオムツをもってトイレに行く子ども達。ズボンを脱いだりオムツを履いたりする姿を見て、「2歳児でもこれだけ自分の身の回りの事ができるのか!!」と衝撃を受けました。
お子さんが、自分で着替えを出来るようになってくれたら、おうちの方はとっても助かるはず!
今回は、衣類の着脱を自分で行い始める2歳児クラスで行なっている、着脱の教え方をポイントを押さえながら、わかりやすく解説していきたいと思います。
着替えを覚えもらおう!教え方のコツ
2歳児を目安にしていますが、指先や手足を上手く使えるようになるまでには個人差があります。今のお子さんがどれくらいのことが出来るようになっている状態なのか、様子を見ながら進めてみてください。お子さんが興味を持ったもの、出来そうなものから始めていければいいと思います。
それでは実際のステップとポイントを確認してみましょう!
肌着やTシャツの着せ方
上着を1人で脱ぎ着するのは、簡単そうで意外と難しいです。頭をどこから出していいのか分からない、頭が抜けない、と泣き出してしまうことも…。視界が見えないから不安になってしまうので、初めのうちは頭の部分だけ手伝ってあげるといいでしょう。
①頭だけ通してあげて、自分で袖を出せるようになる
腕を通す時には、袖を持ってここだよ!と出す位置を教えてあげると通しやすいです。
②自分で被って着る
着た時に正面が合うように背中部分の裾を持たせてあげてください。襟のところから頭が出るといないいないばぁ!をしたような感覚で楽しいようです。是非、コミュニケーションをとる機会にしてあげてください。
肌着やTシャツを脱がせ方
着ることより脱ぐことの方が難しいものです。着せてあげるとき同様、脱ぐときもサポートしてあげると良いでしょう。
①袖を引っ張っる
片方の手で反対側の袖を持たせて、引っ張りながら腕を抜く練習をします。身体が小さく、力も弱い子どもにとっては、この動作がとても難しいです。初めは一緒に袖を引っ張り、脱げるようにサポートしてあげてください。この時、袖から手を離さないようにしっかり待ってね!と伝えましょう。
②頭を抜く
こちらも上に引っ張る力が必要で、中々頭が抜けない…なんてことに。
オムツとズボンの履かせ方
まずは、小さな椅子などを用意して、足をついて座れる場所を作ってあげてください。
①両足を通してあげて自分で上まで持ち上げる
ウエスト部分まで持ち上げられる方がいいですが、お尻のところが難しい場合は手伝ってあげましょう。集中力が続かない子には、よいしょ!よいしょ!など掛け声をかけてあげると、履くことに意識を持って行きやすいです。
②座って足を通し、立って持ち上げる
ウエストの部分をお子さんの方に向けて渡してあげましょう。よく、同じ穴に両方の足を通してしまう場合がありますので、片方ずつよく見て足を入れるように伝えるといいです。
オムツやズボンを脱がせ方
こちらは抜く方が簡単です。
①ズボンを下げる
オムツやパンツと一緒にズボンを下げようとすると、硬くて上手くいかない場合があります。まずはズボンを下げて、そのあとオムツやパンツを下げるよう順番で行うとやりやすいです。
②下がったズボンを足から外す
足から外す際にはズボンが裏返り、踏みつけるように足踏みをして外す事が多いですが、脱げるのであれば問題ないかと思います。
全部脱いだ後で、排泄の後でもう一度履く場合には、表にひっくり返して履きます。
(衣類の裏返し方、については後ほど記事を更新させていただきますので、そちらをお読みください。)
靴下の履かせ方
①指先で靴下を持ち引っ張る
初めは、靴下の入り口につま先を半分ほど入れてあげて、引っ張ることから挑戦してみてください。安定できる場所に座らせてあげ、指でここを持つんだよ!とつまませてあげると簡単に引っ張れます。
②自分で靴下を待って履く
この時はかかとの部分が下に来るように渡したり、置いたりしておいてあげましょう。自分で持つとかかとが横や上に行ってしまってうまく履けません。
履いたら外に行って遊べるよ!と誘ってみるとスムーズに練習できるのではないでしょうか。
靴下の脱がせ方
①つま先部分を持って引っ張る
靴下の上のところに親指を引っ掛け、指で摘んで下ろします。脱げるのであれば、つま先部分をただ引っ張るだけでも大丈夫です!!!
1番簡単なので、衣類の着脱練習を始める際には、こちらからやり始めるのが良いかも知れません。スポンと脱げたら、自分でできたねとたくさん褒めてあげると、他の着替えも頑張るモチベーションに繋がっていくはずです!また、冬用の長い靴下だと難しいので、短いものから始めるといいです。
ポイント
- 向きを揃えてあげる
- 着やすいように持たせてあげたり、置いてあげる
- オムツは汗でくっつく場合には一緒に
きちんとした着替えの習慣を身につけよう!
着替えの習慣が身につき、スムーズに衣類の着脱が出来るようになるまでは、着替えに集中出来る環境を作ってあげてください。着替えの途中に遊び始めてしまったり、テレビが付いていて観ながら着替えたり…といったながら着替えはおすすめしません。
というのも、以前幼稚園で勤めていた時に、なかなか着替えが進まない子がいました。幼稚園では特に、制服がある園が多いと思います。しかし、登園時の制服から着替えて遊ぶまでの間には、友達が話しかけてくる、他の友達の遊びが気になる、といった誘惑がたくさんあります。
その際に、集中して着替えを終わらせる習慣が身に付いていないと、いつまで経っても着替えが終わらず、遊ぶ時間がなくなって朝の会が始まってしまう…。ということになり、苦労していたお子さんがいたのです。
幼稚園に入る前には、くつ下やTシャツ、ズボンの脱ぎ着はスムーズに行えるようにしておくと、お子さんの負担がぐんと減ります!
まずは、きちんと着替えが完了出来るように、おもちゃは出さない、テレビは着る、など集中して行える環境を整えてあげてください。
ひとりで着替え!衣類の着脱を身につけさせるポイントとは?
お着替えがまだひとりで上手にできないお子さんのために、1日でも早く衣類の着脱を覚えてほしいですよね。そのために抑えておきたいポイントと、心得を最後にご紹介します。
何度も繰り返してやらせてあげる機会をつくる
一度出来たからといって、次も同じようにできるとは限りません。お子さんが自分で挑戦する機会をたくさん作ってあげてください。
そばで見守り一緒に挑戦する
出来るようになっていない状態で放置されてしまっては、やる気もなくなってしまいます。「やってごらん?」だけだとやりたがらない子も「一緒にやってみよう?」と誘うと手を動かしてくれることがあります。
上手くいかなかったとしても、何で出来ないの?と怒るのではなく、「もう一回やってみようか!とお子さんの失敗も楽しめるくらいの気持ちの余裕でいてあげてください。
子どもがやりやすいようにサポートする
基本的に2歳児は服の前後ろや裏表を理解して直すことは難しいです。そのため、おうちの方が向きを直して持たせたり、ひっくり返っているものは裏返してあげたりと、正しく着られるようにサポートしてあげてください。
その都度、ズボンのポケットは後ろだからこっちがお尻だね。など、分かりやすいように説明してあげると次第に分かるようになっていきます!
手を出しすぎない
忙しい中で、「そんなに待っていられない、手伝った方が早い」と思う気持ちはとても分かります。しかし、親が何でも手伝っていると、いつまで経っても自分で出来るようにならず、やってー!と待っている子になってしまいます。
しっかり覚えるまでお子さんと向きあってあげてください。早く出来るようになってくれれば、おうちの方も助かるはずです。
最後に
衣類の着脱については、子どもの年齢や指先の発達に合わせたある程度の目安があるものの、基本的には早いうちから経験しておけば、それだけ早くできるようになるという事です。そのために、着替えに興味を持たせるコツは、褒めて伸ばすことです!
出来なかったことが出来るようになることは喜びでもありますよね。自分で出来るようになって楽しい!褒められて嬉しい!という気持ちをたくさん味あわせてあげてください。